ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第1章 Doctor Call
「大丈夫…なんにも…ないよ?」
心配そうな潤くんの顔を見ながら答える。
「あっ、そうだ、これ。
今日は僕の車で帰るから…。
翔兄が雅兄とこれで明日帰っておいでって…」
誤魔化すように潤くんに預かった鍵を押し付ける。
鍵を受け取った潤くんの手がそのまま僕の手を握って…引っ張られた。
「和?誤魔化しても無駄だよ?
そんな顔のまま帰せないなぁ。
ほら、言って?何があった?」
潤くんの強い目に射竦められて…。
結局、僕は洗いざらい話す羽目になった。
智兄が無理したことやその原因…そして翔兄に言われた学会の事も…。
話してるうちに悲しいやら悔しいやらで涙が溢れて、一度溢れたらもう、止まらなくて…。
全部話して顔をあげたときには潤くんのスクラブの色が変わってた。
「かーず?そんな泣かないの?
大丈夫だよ、智も翔さんもお前のことが可愛くて仕方ないんだよ。
てかさ、あの人たち本当に俺達のこと大好きだから。
きっと和じゃなくても俺や雅紀にも同じこと、やると思うよ?
今回のはたまたま重なったんだよ。
だからさ、ありがとうしたらちゃんと学会頑張れよ?
それが一番だと思うよ?」
「潤くん…」
潤くんの唇がそっと落ちてきた。
場違いなリップ音にゾクゾクする…。
薄く開いた僕の唇に潤くんの舌が差し込まれて、僕の舌が搦め捕られる。