ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第3章 halftone ーDoctor Call Ⅲー
「智くん…もしかして」
「ん?なんのこと?」
珍しくほぼ定時で帰ることが出来たこの日、ロッカーに入ると、中にいた翔くんが入口から死角になる場所でコソッと聞いてきた。
とぼけたものの、翔くんが聞いてるのは間違いなくあの辞令のこと。
でも…僕は話す気はない。
「翔くんまだ勤務中でしょ?
早く戻らないと?」
僕の顔をみて諦めたのか翔くんはそれ以上聞いてこなかった。
「まぁ、いいや…。
でも、ひとつ覚えといてね?
俺、智くんを守るためならなんでもするからね?
俺も智くんと気持ちは一緒だから…」
翔くんは僕を見つめながらそう言うとそのまま、僕にキスをする。
貪るみたいな激しいやつ…。
「チャージ完了!
じゃ、俺、仕事に戻るね?
あ、潤に迎えに来るように言っとくから、気をつけて帰るんだよ?」
もう!キスひとつで煽るだけ煽ってロッカーを出ていった翔くん。
僕は潤くんが来るまでひたすらどうでもいいことを考えながら身体の火照りを引かすのに必死だった。