ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第3章 halftone ーDoctor Call Ⅲー
「智兄、帰るよ?」
潤くんの声が聞こえた。
そこに被るように聞こえてきた2つの足音。
「潤くんだけ抜けがけなんてゆるしませんからね」
「さとちゃん、帰ろう」
一気に騒がしくなったロッカールーム。
ほかの先生やスタッフはもはや当たり前のようにスルーしてくれてる。
きっと翔くんだね。
潤くんにって言ってたけど…僕たちの仕事は予定通りにいかないから…。
結局、甘やかされてるのは僕なのかもしれない…。
僕、一応、長男なんだけどなぁ。
でも…この空気が好きだから…。
甘えてもいいかな?
もちろん、僕もみんなのことを大事にしていくし、僕の全てて包むから…。
愛する弟たちと一緒に車に乗って帰る。
翔くん、お夜食用意しておくから気をつけて帰っておいで?
そんなことを思いながら、僕は翔くんのいる病棟を見上げた。
≪END≫