ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第3章 halftone ーDoctor Call Ⅲー
またいつもの一日がはじまる。
同じように見えて同じじゃない毎日。
ちょっとした事で傷つけられることもある。
でもね、そのままにはしておかないよ。
だって僕はお医者さんだし、長男だから。
大事な弟たちを守るためならなんでもやるって決めてるから…。
約束通り、病院に送ってくれた翔くん。
ホントはずっと一緒にいたかったけど仕方ない。
まーちゃん達には翔くんの身に起こったことをLINEしておいた。
きっと僕が仕事してる間はお兄ちゃん想いの弟たちが頑張ってくれるだろうから心配はない。
「じゃぁ、行ってくるね?」
そう言って助手席のドアを開けようとした僕の腕を引っ張る翔くん。
えって思った時には唇が塞がれてた。
「いってらっしゃいのキス、忘れちゃダメじゃん?
俺、届けに行けるかわかんないからさ?」
ニヤリと嗤う顔はいつもの翔くんで…。
何も言えずにいる僕に続けてこう言った。
「智兄、ありがとう。
これからもずっと…愛してるから」
ぎゅっと抱きしめてくれていた翔くんの腕から力が抜ける。
それは時間が来た合図。
名残惜しいけど…今度こそ僕は助手席の扉をあけた。