第3章 halftone ーDoctor Call Ⅲー

「そんな顔、しなくて大丈夫だよ？

　あとで僕が様子をみてくるから。

　ほら、せっかくのお肉だし美味しく頂こうよ」


心配顔の弟たちに声を掛けながら一旦止まった流れを元に戻す。

翔くん…なにかあったんだろうなぁ。
あとでちゃんと話、しないとなぁ。


「美味しいね、このお肉。

　なんて言ったっけ？
　臭みがなくてこれなら和くんも沢山食べれるでしょ？」


「グラスフェットビーフね？」


「それだ！」

潤くんがさらっとフォローしてくれる。


「智って医者としては優秀なのに…なんか変なところが抜けてるよね。

　まぁそんな所も込みで愛すべき兄上なんですけどね？

　確かに美味しいですね、これ」


和くんが珍しい沢山食べてくれて嬉しいからこの際、毒舌はスルーしておくよ。


「まーちゃん、卵追加する？」


弟たちの食事を見ながら聞くとすっと席を立つまーちゃん。


「大丈夫だよ、自分でやるから。

　それよりもさとちゃんもたくさん食べなね？

　あんまり進んでないよ。
　今日は休みだったんでしょ？

　お昼飛ばしたりしてないよね？」


やばい、薮蛇になりそう。
とりあえず笑って首を振ってお箸を進めて誤魔化してみた。