ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第1章 Doctor Call
『え?和兄?
あれ、俺、智兄のPHS鳴らしたはず…』
潤くんが心底、困惑したような声を上げてる。
それでも用件のほうが気になって心当たりを口にしてみる。
「もしかして…コンサルの依頼?」
『うん…脳外の医局に掛けたんだけど誰も出なくて…。
智兄が循環器なのはわかってるけど…とにかく外科の意見が聞きたくて…』
「とりあえず、僕が行きます。
その間にERから再度脳外へのコンサルの依頼、してください。
流石に手術はできないから…」
『ありがとう、和兄!助かる!』
その一言を残して電話を切った潤。
やっぱり救急は慌ただしいなぁ。
「翔兄、僕、救急に行ってきます。
脳外の誰かが捕まればすぐ開放されると思うから…。
先に智と着替えててください。
ついでに鍵、渡して来ますから…。
ください」
翔兄に向かって手を伸ばすと手のひらの上に鍵が置かれた。
「じゃ、行ってきますね?」
そのまま素早く智兄にキスして、処置室を出て走りだした。