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ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】

第1章 Doctor Call



半泣きの僕の顔に慌てて手を合わせて謝ってくる智兄。


違う…そんなことさせたい訳じゃないんだ…。


「ねぇ、謝るならもっと自分を大事にしてよ…。

 僕達のこと大事にしてくれる位、自分を大事にしてよ…。

 じゃないと…お仕置きするよ?」


僕の最後の一言に身体をピクリとさせた智兄。


あーあ、もう、そんなことしなくても可愛がってあげるから…。

隣の翔兄も悪い顔してる…。


「智くん?ね、ちょっと診させて?

 終わったら帰ろう?」


「いい、大丈夫だから。

 寝たし、点滴もしたんでしょ?」


頑なに診察を拒む智兄。


「ふーん、平気なんだ?

 じゃ、帰ろう?

 翔兄、この状態のこの人に何言っても無駄だよ。

 家に帰っても医者はわんさかいるし…」


「まぁ、そうだね…

 じゃ、着替えて帰ろう?

 和も帰れるの?」


「ええ、平気です。

 僕の車で帰ればいいでしょ?」


「じゃ、俺の鍵、雅紀に預けるか。

 雅紀と潤が帰るときに使えばいいだろ?」


そんな話をしてる最中に智兄のPHSが鳴る。


当然仕事の話なのはわかるから、取り上げた。

同じ外科医なんだから僕が受けても問題ないはずだ。


「はい、五十嵐です」


智の声じゃないことに相手が慌てふためく。


「そんな驚いた?
 潤くん、僕ですよ?」


受話器から聞こえたのは唯一の弟の声だった。




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