ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
「あっ、智!
逃げようってしたって逃しませんよ?」
和兄に声をかけられてびくっとわかりやすく身を震わせた智兄。
「翔くん、助けてぇ」
笑いながら翔兄の背中に隠れようとする。
「ふふふ、智くん、おいで?」
翔兄が満更でもない顔で智兄の小さい体を背中に隠す。
「まーくん、行くよ!」
「ガッテン承知!ほら潤もおいで?」
和兄と雅兄が笑いながらそんな二人を囲いつつ俺を呼ぶ。
「了解!俺はこっちから行くね?」
俺も笑いながらその輪に加わった。
追い詰められた智がお土産の話を突然はじめて思いっきりみんなの意識をそらす。
あまりの突然さにみんな呆気に取られたけど次の瞬間、大爆笑。
そのままみんなの意識は栗鹿の子に移って…。
食後のデザートになだれ込んだ。
長野での話から俺の喘息の話にもなって…。
どうしようって思ったけど智兄が優しく笑ってくれたから…素直に謝れた。
二度とやるなって翔兄に言われて、和からは絶対、こっちで受診するように念を押されただけで終わって拍子抜けした。
びっくりしてる俺に雅兄が下手なウインクをしながら言った。
「もう、たっぷりさとちゃんに叱られたんでしょ?
だからもういいよ?」