ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第1章 Doctor Call
「智兄?智…起きて?」
「寝てるところごめんね?
智くん、少し話、聞かせて?」
寝てるのに可哀想だとは思ったけど体調がどうなったかも知りたいし問題なければ連れ帰りたいから和と一緒に声をかけながら起こす。
ゆっくりと瞼が開いて…水分の多い瞳に俺と和が映る。
「……ん?しょうくんとかず?」
寝起きのふわふわした口調。
「起きた?」って声をかければ目を擦りながらこちらを見る。
「智兄?少しはスッキリした?
どっか辛いところない?」
「うん…平気…。
えーっと僕、どれくらいここに…?」
目線を腕にした時計にやると智兄はスイッチが入ったみたいにベッドから飛び降りた。
「智くん?ちょっと待って!」
さっきまで寝てたのに急に起き上がったことで起立性低血圧でも起こしたのか座り込みそうになるところを間一髪で支える。
「智兄?
ダメだよ、クラクラしたでしょ?
なにをそんなに急いでるの?」
「え?いや、病棟戻んなきゃ。
今日こそカルテあげないと…」
「それなら平気ですよ?
ちゃんと伝えて許可も貰ってます。
『智先生、無理しすぎだから休ませてください』って僕が叱られたんだから…。
なんであんな無理、するんですか?
1日に3件なんて…。
それも予定にないものばかり…。
その上普通の業務もやったら倒れるに決まってるでしょ?!」