ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
玄関を開け、智兄がただいまって声を掻き消すようにバターンと凄い音がしてリビングの扉が開く。
「さとちゃぁ〜〜〜〜ん!
おかえりぃぃぃ!」
家で1番デカイ雅兄が1番小さい智兄にぶつかる様な勢いで飛びついた。
それを悠然と受け止める智兄。
その二人の上に和の「まーくん…」っていう呆れたような声と「雅紀!」っていう翔兄の怒声が飛んだ。
「ふふふ、ただいま、まぁくん。
そんな勢いで来なくても僕は逃げないよ?」
「だってさぁ、少しでも早く会いたかったんだもん」
「ありがと。僕も会いたかったよ?
翔くんもただいま。
2週間、ありがとうね」
智兄ののんびりした口調にそれまで怒ってた翔兄の顔が緩む。
「おかえりなさい、お疲れ様でした。
いつまでもそんなところにいないで上がりなよ?
雅紀…いい加減にしろよ?」
智兄には思いっきり甘い笑顔を向けたのに雅兄に思いっきりドスの効いた声で脅しをかける翔兄。
その声に雅兄が渋々、智兄を離した。
なんだろう…すごく楽しい。
いつもの空気に戻ったって感じで…。
こんなちょっとしたことがすごく嬉しいと思った。