ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
「あー帰ってきた!
このまま何日か休みなら幸せなのになぁ」
ようやく駅について、潤くんと二人でバス停を目指す。
思わず口から出たその一言に苦笑する潤くん。
しょうがないじゃん、だって地元に戻ったんだもん。
バス停の手前のロータリーに見たことのある車が停まってる。
潤くんとの顔を合わせた瞬間、短くクラクションが鳴った。
「和!」
この距離じゃ聞こえないのに思わず声が出る。
そのまま荷物を持って駆け出した。
「おい!智!待ってよ!置いてくなって!」
潤くんの声が聞こえない訳じゃない。
でも…動き出した足は止まらなかった。
走り出した僕の姿を見た和が運転席から出て来たからそのまま抱きつく。
「うわっっ!おかえり、智。
潤くんもおかえりなさい」
驚きながらも僕のことを受け止め、肩越しに潤くんに声をかけてる和。
「ただいま。ってかなんでいるの?」
潤くんの声が背中からする。
「帰るって家に連絡入れたら丁度智たちも戻ってくるって雅兄が教えてくれたのでついでだし迎えに来たんです。
ほら、乗ってください?
帰りますよ」
和が僕の背中をポンポンと撫でながら言った。