ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
「俺じゃダメなの?」
さっきから早く帰りたいの一点張りにちょっとイラッときて…思わず言っちゃったよ…。
なんか、どっかの重い女みたいじゃん…これじゃ。
言いながら自分にも苛つく。
「なんでそんな風に思うの?
僕、潤くん大好きだよ?
僕はね、翔くんもまぁちゃんも、和も潤くんもすごく好きなんだぁ。
潤くんが来てくれてますますみんなに会いたくなったの。
いつまでも弟離れできなくて…ごめんね?」
電車の中だから小声で話してる智。
最後の一言は消えそうな声だった。
「謝んなよ…。
兄離れできないのは俺たちの方だし…」
自分が振ったこととは言え電車のなかで話すような話題じゃなかったとバツが悪くなる。
そんな俺の気持ちがわかると言わんばかりに目を瞑った智がその頭を俺の肩に載せてきた。
その重さが『気にするな』って言ってるように思えた。
しばらくそのままでいたけど、あっという間に降りる駅が近づく。
寝てた訳じゃない智が頭を離す。
さっきまであたたかかった肩が少し寂しくなった。