ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
ようやく東京に着いて潤くんはお昼どうする?って気にし始めたけど僕は…そんなに気乗りがしない。
早く帰りたいなぁ…家へ。
そんな矢先にまるでタイミングを図ったようなまぁちゃんからの電話。
いつもの店だっていうから潤くんの分も勝手に頼んで電話を切った。
「潤くん、家に帰ろ?」
スマホを返してそう言うとぽかーんとした顔で僕を見る潤くん。
「ほら、行くよ?」
そのまま手を引いて歩き出す。
「え?智兄?うわっ、ちょ、ちょっと待って」
普段は冷静に対応できる潤くんだけど翔くんと一緒で案外、突然の事態には弱いんだよね。
でもそんなのお構いなしで地下街を歩いていく。
だって一刻も早く帰りたいんだもん、僕。
最寄り駅にいく電車のホームまでそこそこの距離を歩き、滑りんできた電車に乗り込んだところでようやく一息つく。
「もう、智、早すぎ!
俺、結構荷物持ってるんだけど?」
「だって早く帰ってみんなに会いたいんだもん」
東京に戻ってきてホッとしたんだと思う。
そんな中でまぁちゃんの声を聞いたら…我慢なんて出来なくなるのは仕方ないと思うんだけどなぁ…。