ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
結局、車内でお弁当を買わなかったから東京に着いてランチをどうするか?って話になったけど…。
相変わらず食に興味のない智からは「なんでもいいよ。潤くんの食べたいもので…」っていつもの答えが帰ってくる。
さてどうしようと昼どきの駅の中で迷ってるとスマホが震えた。
「もしもし?雅兄、どうしたの?」
普段の連絡はLINEを使うことが多いから電話だと何かあったのかと心配になる。
『じゅ〜ん?今どこ?』
受話器から聞こえる雅兄の声はのんびりしたもので肩に入った力がぬける。
「え?いま…東京駅だけど。
ねえ、なんかあったの?」
『なにもないよ。
二人共お昼食べた?』
「まだだけど…」
『じゃあさ、家で食べれば?
これから出前頼むからさ』
相変わらずのんびり口調の雅兄。
どうしたの?って顔で覗き込んできた智に話すとニコニコと笑いながら手を差し出し、スマホを寄越せと無言で言ってくる。
素直に渡すと話し始める二人。
智から出るマイナスイオンが増量した気がしたのはきっと気のせいじゃない。
「ふふふ、じゃあ、帰るね?
うん、うん、了解」
そんな声が聞こえて手のひらにスマホが戻る。
既に通話は切れていた。