ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
「あっ、そうだ、潤くんに払ってもらったお土産、あれ、家用だから。
栗鹿の子と栗羊羹が入ってるからさ、東京帰ったらすぐに渡して謝っちゃおう?
ね?僕も一緒に謝るからさ」
大宮を過ぎてしばらくしたところで智がぼそっと言った。
「栗鹿の子、すごい美味しかったの。
食べ比べ出来るように選んたからさ、みんなで食べようね?
病院でおやつで貰ったときにね、みんなで食べたいなぁって思ったの。
翔くんなんてリスみたいほっぺた膨らませて美味しそうにたべそうだもん。
その後に潤くんのこと聞いたから…ほんと、ビックリしたんだ。
きっとね、翔くんもまぁちゃんも和も心配してると思うから…。
ワイロはやっぱりあったほうがいいでしょ?」
そう言ってふにゃっと笑う。
俺はこの笑顔が大好きで…。
「ありがと…」
この場で押し倒したい衝動をなんとか抑えて、かわりにそっと手を握る。
お互いの体温が混じる感じが堪らない。
そんな俺の手をそっと握り返してくれる智。
互いの視線が交わって…小さく可愛いキスに変わる。
でもそれだけ…。
今はそれだけで我慢した。