ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
そろそろ新幹線が入ってくるって言うから指定された場所に立ち、待っていた。
「え?グリーン車?」
「そう、少しの贅沢は必要悪だよ」
びっくりしてる潤くんに笑いながら言う。
「ほら、行くよ?」
潤くんの手を軽く引っ張って車内に入る。
指定でも良かったんだけど、潤くんを休ませてあげたいし、こっちのほうが人の出入りも少ないから…。
席まで行くと潤くんがさっと、荷物を上にあげてくれた。
この辺は流石だよね。
女の子じゃなくても惚れちゃうよね。
ゆったりとした座席に体を沈めると眠くなってくる…。
でも…せっかく二人なのに寝ちゃうのは勿体無いよね…。
タイミングよく来た車内販売のお姉さんからコーヒーを二つ買う。
「あ、潤くん、アイス食べる?
新幹線のアイスって美味しくない?」
「うーん、俺、いいや。
でも智は食べたら?買ってやるよ。
んで一口ちょーだい?」
最後の一言だけ小声で言うとお姉さんから受け取ったアイスを僕の前に置いて笑う。
きっと色々突っ込みたかったであろうお姉さんはそれでもプロらしくお礼だけ言って歩いて行った。
それを見て二人で笑う。
分け合ったアイスは行きに食べ時よりもずっと美味しく感じた。