ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第1章 Doctor Call
視線を合わせてじっと見つめる。
そのまま和に伝える。
「和也くん?
智兄が心配なのはわかるよ?
でもね、学会を蔑ろにするような態度はいただけないな。
智兄、聞いたらキレるよ?
学会で発表するんでしょ?
和はうちの病院の外科の代表として行くんでしょ?
沢山吸収してみんなに展開するんでしょ?
普段のみんなの頑張りを発表して一人でも多くの人を救うんでしょ?」
「………翔…兄……」
学会は発表の場であり知識を吸収する場所。
そして、人脈を作る場所でもある。
発表の準備は大変だし、発表するのは緊張するしで辛い方が圧倒的に多いけど…その分医者として成長も出来る。
智兄は弟のステップアップのためにどうしても今回の学会は和に行かせたかったんだ。
だから…その気持ちを踏みにじるようなことはさせない…。
「和はちゃんとわかってるもんね?」
そう言って覗き込むと目をうるうるさせながら何度も頷いた。
「うんうん、お利口さん。
じゃ、智兄起こそうか?
連れて帰って平気?」
「うん、さっきの電話でそこは問題ないようにしたから…」
「じゃ、行こうね?」
和を促して、智くんが寝てる処置室の扉を開けた。
「酷い顔色…。
無茶ばっかりして…」
和が呟く。
「帰ってゆっくりさせてあげよう?」
和に言いながら智くんの肩に手を起きゆっくり揺すった。