ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
その場で少し雑談をして最後にお世話になった井ノ原先生と坂本先生に挨拶をしてその場を離れた。
「潤くん、お迎えありがとう。
タクシーで駅に向かおう。
ようやく東京にもどれる!」
俺のジャケットをちょこっと摘んでいう。
「うん、帰ろうね。
東京で翔兄たちまってるもんね」
そっと智の腰に腕を回しタクシー乗り場にエスコートする。
「長野駅まで」
智兄がそう運転手さんに伝えるとタクシーはゆっくり動き出した。
「お疲れ様.無事に終わってよかったね?」
「うん、ほんと、安心した。
潤くん、次の出勤は?」
「明日の夜勤から。
今日までなんとか有給とったから。
智は?明日はオフ?」
「残念ながら、朝からだよ。
まぁ、明日は病棟だからまだましかな?」
そんなことを話してるうちにタクシーは長野駅のロータリーに入る。
「運転手さん、駅ビルってあれですか?」
降りる間際に智が確認してる。
納得いく答えをもらったのか、満足げな顔でタクシーを降りた智兄はチャッチャと帰りのチケットを確保し、そのままどこかに向かう。
それを慌てて追いかけた。