ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
「智兄がいい…」
自分でもワガママだなぁって思わなくない。
でも…今の俺は智兄に甘えたくて、ワガママを言いたくって。
……でもこれ以上、駄々を捏ねたら…兄に迷惑かな?って思ったところで智兄の声がした。
「…わかったよ、潤くん。
でもさ、必要だと思ったら翔くんか
まぁ~ちゃんにセカンドオピニオン、
もらってもいい?
その時はちゃんとどっちかの診察を
受けてくれる?」
俺のことを一生懸命考えてくれた智兄の言葉にひとつ頷いた。
「ふふふ、よかった。
これで一安心だよ。
ほんと、潤は病院嫌いなんだから…」
「むぅ…智兄だって…嫌いでしょ?」
ってかうちの兄弟で病院平気な奴なんていないじゃん。
みんな診察するのは平気だけどされるとなると思いっきり抵抗するじゃん!
「そんなこと…」
「あるじゃん!」
言い淀む智兄に思いっきり被せてやった。
智兄の方が問題でしょ。
ギリギリまで我慢するんだから…。
智兄と目が合う。
次の瞬間、二人で爆笑した。
「さて、そろそろ夕飯作るね?
智兄、ゆっくりしててね?」
手のひらの中の缶ビールの残りを一気に飲み干してキッチンのゴミ箱に缶を捨てた。