ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
鼻を擽る甘く香ばしい香り…。
不思議に思って目を覚ますと隣にあった熱が無くなってるのに気がつく。
「智兄、朝だよ?そろそろ起きて?」
潤くんの声が扉の向こうから聞こえたと思ったらドアが開いてエプロン姿の潤くんが顔を出した。
「……あっ、潤くん…おはよ。
一緒に起こしてくれればよかったのに…」
「いいの、これをやるために来たんだから。
顔洗っておいでよ?
フレンチトースト出来てるよ」
「おゎっ、マジで?
潤くんのフレンチトースト
大好きだから嬉しい!
すぐ洗ってくるね!」
思わず鼻歌を歌いたくなる気分でダッシュで洗面所に行って顔を洗うと食卓につく。
フレンチトーストだけじゃなくてカリカリに焼いたベーコンとスクランブルエッグもあった。
「すごい…朝からこんなに作ってくれたの?」
僕の感嘆の声にちょっと照れる潤くんが可愛い。
「大したことないよ。
智の食生活考えたらこれぐらいは当たり前。
たくさん食べてね?」
そう言われたらちゃんと食べないわけにいかないよね…。
「いただきます!」
「はい、召し上がれ」
いただきますに返事が返ってくる喜びに浸りながらフレンチトーストを頬張った。