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そうして君に落ちるまで

第7章 寵愛(ティキ)





チュンチュンと鳥のさえずりが聞こえる。

スズメの鳴き声を聞くと朝って感じするよな…




ゆっくりと瞼を持ち上げる。
木々の隙間から差し込む光が自分を照らしていた。


……天国?そんなバカな。




自分の血で汚れた地面、背にある硬い石。
朝になり、夜とは違う柔らかい表情を見せるそこは紛れもなく昨日、自分が意識を手放した森だった。


身体が重い。
そう思い視線を少し落とせば女が自分に抱きつくように持たれたまま眠っていた。


「……?」


おい、起きろと女の背を叩くがピクリとも動く気配はない。

「…っ!」

視界に入った自分の手を見て、ティキは目を見開いた。


「ケガが…ない…?」



手だけではない。
アレだけの血が出るほど、意識が遠のく程の怪我を自分は負ったはずだ。それがだ。小さな傷は残っているものの、致命傷となるものが身体のどこにも見当たらないのだ。

「夢…じゃねぇよな…」

夢ではない。それはボロボロの自分の服を見れば一目瞭然で。


まさか…

改めて女を見る。
柔らかな髪を手ですけば、昨日、確かに嗅いだ香りがふわりとした。


「どうして…エクソシストが…?」



黒い服、白いライン。そして胸に掲げられたローズクロスは間違えなく、自分達の対となる、敵であるはずの黒の教団のエクソシストのものだった。



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