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そうして君に落ちるまで

第6章 まずは触れてから考えよう2(コムイ)










◆◆◆◆





「終わったぁああ〜〜!!!」

同時に響く乾杯の音。
ただいま夜の11:56。

ようやく、ようやく長いこと続けていた山がひと段落ついたということで科学班で祝杯をあげる事となったのだ。


「あーーーーっ!ほんとビール美味しい!!」
「ははっ違いない!」

よく冷えたビールは乾いたにごくりごくりと音をたて通っていく。今日のビールは一段と美味しい…!やっぱり種類とかつまみとかより疲れてる時に冷えたのを飲むのが1番だ。

お酒が苦手な班長も一杯だけと今日は飲んでいる。
それだけしんどかった。お疲れ私たち。

どんちゃんわいわい、お酒を飲んでいるときにふと気づいた。無意識に探していた姿が視界に入らないのだ。

「ねぇ、室長は?」

きょろきょろと見渡すがやっぱりいない。こういう、みんなで騒ぐ雰囲気好きなはずなのに。

「なんだ沙優、やっぱ恋人が気になるか??」
「それまだ言う?違うって言ってるでしょ。」

室長が飲み会に来ないなんてどっかで寝潰れてるかもしれない。気になるのもあるけど純粋に心配でもある。

「私探してきますね。」
「今度は腕組んでこいーっいて!!」

からかってくる同僚に軽く蹴りを入れ、手に持ったジョッキを飲み干すとその隣の後輩に押し付ける。

室長、部屋にいるかな。


心配だなんて思いつつも、彼の元へ向かうのかと思うと気持ちは高まった。




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