第6章 まずは触れてから考えよう2(コムイ)
恋心を自覚してから1週間がたった。
「はぁ…」
あれから、団服の一新をしたり通信機のアップグレードだったりやることがどんどこ増えていってあっという間に時間が過ぎた。
室長と2人きりになることはたまにあっても触れ合うことはあれ以来ない。お互い忙しくて恋だの愛だのかまけてる場合でもなかったからだ。会話だってあの時のように彼を心配させるようなことはなくお互い普通の上司と部下として、仕事仲間としてきちんと出来る。
けれど。
一度自覚をしてしまったからには目が追うんだよね…
触れ合うようになってからは自然と目が会うことがよくあった。けれども最近は私ばかりが見ているような気がする。
…怒らせたのだろうか。
急によそよそしくしてしまったから?
「はぁ…」
二度目のため息をつく。
両思いとか、そういうのはとりあえずまだいい。いままでと同じでいいから。
もう一度、あの手に、あの人に
飽きるまで触れたい。