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そうして君に落ちるまで

第3章 まずは触れてから考えよう(コムイ)







避けようと思えば思うほど、状況は真逆へなるようで。相変わらずこの世界の神様はとんだものだ。


「どうしてこうなった…」

「いやー…困っちゃうよね…」







ーーーーー


事の始まりは数分前、徹夜徹夜の深夜1時。
この時間になるとハイになって関係のないものを熱心に作り始めるか、ランナーズハイの如くガリガリガリとペンが激しく進むかのどちらかになることがたまにある。

今回はどうやら前者のようで、室長のところに書類を届けに行き、その概要を伝えていると、ドカーン!パリーン!とどう考えても書面に向かっているとは思えない騒音が響いた。

「なに?!何の音?どうした…あれ?」

慌ててドアに駆け寄り、ガチャガチャとノブを回すがビクともしない。「えっうそ」と室長も加わり押すだの叩くだのと開かないことを外へ知らせると、ジョニーがしゃがれた声を必死に絞り出すのが聞こえてきた。

「ごめーん!!なんかわからないけど大爆発起きちゃって…室長のドアのとこ瓦礫の山で動かせそうにないー!」

他のとこ片さなきゃだし明日の朝にアレンにでも退かしてもらうから〜なんていうとじゃあ!と勝手に話を締めようとしてくる。

いやいやいやまってまってまって

なんかわからないけどってなんだ。
気持ちはわかるけどみんなハイになりすぎでしょ。

まぁこの際それはもう置いておくてして

密室で?朝まで2人っきり?
あんな事あって絶賛敬遠中の室長と??

思わず室長と顔を見合わせる。
どうやら同じことを考えてくれたようだ。

「こっちは今ボクと沙優くんの2人しかいないんだ!道具も機材も何もないし!どうにか開けられない?」

「あー無理っすねー!2人とも風邪引かないように気をつけて〜!」

まってまってまって!

一応私女なんですけど!!
室長だけじゃない。科学班はどうも男女の概念が雑すぎる。朝から晩まで見知った顔と何年も住み込みで働いているからホームと呼ぶに相応しい間柄であるのは素晴らしい事だけれども。けれども!

いっそジョニーと閉じ込められればそりゃあ何もなかっただろう。

でも今一緒にいるのはついこの間一悶着あった室長だ。



「どうしてこうなった…」

「いやー…困っちゃうよね…」


2人してドアに手をつき、足元を見るしかなかった。

困っちゃうよ…いや本当に。




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