第4章 ごめん、でも……【神崎side】
「それで?話ってなにー?付き合って、とかは無理だよ?今さ、付き合ってる子いるんだよね~♪」
「っ………!!」
バチンッ
「って…………、ははっ、痛いなぁ……。ちょっとなに~?」
めちゃくちゃ痛かった。
後で知ったことだけど、彼女は武道をしていたらしい。って言っても、剣道だけど。だから痛かったのかな?関係ないかな?まあ、どっちでもいいけど。
とにかく、当時の俺にはそのビンタが超痛かった。
今くらっても痛いと思うけど。
「あなた、ほんっとうに最低!結愛(ゆあ)がどんな気持ちであなたと付き合ってたか知ってる!?結愛は……わたしの友達はあなたが本当に好きだったんです!その気持ちを弄んで……っ!あなたなんか大嫌いです!!!」
痛い。
彼女に叩かれた右頬も、彼女の言葉も。
痛かった。