第6章 終わり
【碧央side】
俺がつまらない嫉妬をして、彼女に先に帰ってもらって後悔した。
先に帰ってもらったのは、もともと仕事が忙しいっていう理由なんやけど、メールの内容は少し冷たすぎたか、とか送信してから思った。
〈今日からしばらく先に帰って〉
これだけ。
謝罪の文も、理由も、何も打ってない。
でも、彼女なら大丈夫やろ。
多分、そんな気にしてない。
なんて思ってしまった。
もし俺が彼女の立場だったら絶対に嫌なくせに。
生徒会室で仕事を始める前。
ふと窓から外を眺めると、グラウンドに彼女の姿が見えた。窓を開けて手を振ろうとしたその時。
彼女が小走りした。
その先にいたのは────
昼間のあの男だった。