第2章 彼に隠された秘密とは……
「え!?ちょっ、美祢!?」
『………嬉しいです。すっごく!』
彼の胸に顔を埋める。
彼の鼓動が速くなってきているのが、よく伝わってきた。
『会長はわたしのこと……遊びなのかな、って思ってたから……』
「なっ!?遊び!?」
『だって………デートに誘ってくれないし……。この前は、手を解かれちゃったし……』
「そ……れは、その………」
そのまま会長が黙り込んでしまった。
今、彼はどんな顔をしているの?
見たい。
彼の顔を見たい。
でも、怖い……。
もし、拒絶の顔だったら、と思うと、怖くて顔をあげられなかった。
でも、彼に回したこの手だけは、緩めたくなかった。