第2章 彼に隠された秘密とは……
「あー!もう!焦れったい!!見てらんない!」
この沈黙を破ったのは、またもや神崎さんだった。
神崎さんの声の大きさに驚いて、会長から顔を離して、神崎さんの方に視線を移す。その時に、思わず手を離しかけたから、もう一度ぎゅっと力を強めた。
「碧央!男なんだったら、しっかりしなよ!」
「分かっとるけど………」
「世話のかかる子だよ、まったく……」
神崎さんが演技じみた感じで肩をすくめる。
「ねえ、美祢ちゃん。碧央はさ、ほんとに君が大好きなんだよ。それこそ、生徒会の仕事より君を優先させちゃったりとかするくらいにね。僕のこと、サボってるとか言えないよね」
いつもみたいにどこかへらへらしているんだけど、目がとても真摯で、何も口出しできなかった。多分、それは会長も同じ。
「ほんと、臆病なやつなんだけど、君が大事だからそうなっちゃってるだけ。だからね、許してあげて?碧央には、彼なりの事情があるんだよ、きっと」
会長を見上げると、耳まで真っ赤な彼と目が合った。