第7章 忘却の桜
「すごーい、こんなにビンビンにしちゃって.... すっごい美味しそう」
アヒル口が妖しく歪む。
「もう.... あっ.... やめ.... ろ.... よ.... んんっ」
ギッと睨み付けているはずなのに、トド松くんの瞳を見ればすぐに違う感情が疼く。
「やめてほしそうに見えないよ?だから.... いただきます」
にこっと可愛く笑う姿は、ヴァンパイアと言うよりも黒い角と尻尾のはえた悪魔その物だ。
ぱくっと乳首をくわえられると、今日一番の高い声が耳をかすめる。
「いっやぁん....!」
ビクビクと反応する体は別の人のもののようだ。
その反応に気をよくしたのか、ねっとりと舐められる。
アイスクリームでも舐めているかのように、幸せそうな顔をして
「んっ.... 美味しい.... 美味しいよ、鈴音ちゃん」
はぁはぁと荒い息づかいが、耳を刺激する。
オーキッドピンクの瞳が欲の色でさらに鮮やかに光を宿す。
「僕も.... 興奮してきちゃった.... 」
うるっとした瞳、自身の唾液でテラテラと妖しく光る唇、頬が赤くなっている。
なんて可愛いんだろうと、朦朧とした意識の中そう思えば、全てがどうでもいいようなそんな気がしてくる。
「鈴音ちゃん、僕が.... 欲しい?」
首を少し傾けて顔をのぞきこまれる。
なんてあざとい仕草なんだろ。
なんてあざとい言葉なんだろ。