第27章 白無垢よりもウェディングドレスよりもタキシード!?
「と、とりあえず今度はおそ松達をどうにかしないと...」
「それにしても、お腹減ったね」
唐突にそう言い出したのは、トド松くんだ。
話の流れはなかったかのように、いやもう兄達の存在などなかったことにする気だろう。
「僕ね、僕ねー、ショートケーキがたんべたぁぁい!」
あぁ、十四松くん。
それはなにも考えずいってるんだろうか、それともトド松くんに便乗してしまったんだろうか。
「...いいね」
一松くん、その笑顔ぶれないよね。
暑くも寒くもない、怪しい真っ暗な空間になんと合う顔だろう。
もう企みまくりだよね。
「皆そう言ってるんだし、帰ろっか鈴音ちゃん」
キラキラと花でも浮かべていい笑顔を向けるトド松くん。腹が黒いというか、ど黒いというか、もういっそ清々しい。
「ぶっちゃけた話、こんなに長く話続けてるけどトト子ちゃんが可愛いって事とたまには大人版を出しとこっていうなんでもない企画だったしね!」
やめろ、トッティそのメタ発言は!
そんなツッコミを心でいれれば、なんだかんだで危機は去ったんだと改めて思う。
「まぁ、ともかく助けてくれてありがとうね」
「お礼はいいから、帰ったら鈴音ちゃんがケーキ作ってね?」
「いちごいっっぱい入れて欲しいっす!いっぱいいっぱいいっぱい!」
満面の笑みを咲かせる十四松くん、やはりトド松くんの黒さが混ざった笑顔とは段違いで眩しく和む。
「にやっ」
「いや、対抗しなくてもいいよ一松くん。」
無理に笑おうとすると怪しい笑みになってしまう一松くん、彼らしいと言えば彼らしい。
そんなこんなで危機は去った、かのように思えた。
次の日弟松達3人も行方不明となり、後日松達全員のお尻の穴に梅の枝が突き刺さって送られてくるとは夢にも思わなかった。
いや、思わなかったし考えたくもなかったし見たくもなかったよね。
その痔になったケツの穴に軟膏を塗り合う兄弟の姿とか、本当に本当に見たくなかったよ。
とんだ災難だったわ。
本当にね。
〜白無垢よりもウェディングドレスよりもタキシード!?完〜