第27章 白無垢よりもウェディングドレスよりもタキシード!?
鈴音がトド松達に連れ去られた後の庭は、しんと静まり返っていた。
幾千と散る梅の花の中、俺達の幼なじみはその中心で佇む。
それだけで絵になるんだから、俺達全員がメロメロになるのも頷けるよな。
「本っ当にしぶといんだから、おそ松くん」
「あり?見つかっちゃった?」
梅の花の中で事の成り行きを見届けようと思っていたのに、あっさりと見つかってしまう。
さすがと言うべきか、スタンと地面に足をつければ砂利がほんの少し音を立てる。
「さっき殴り倒したと思ったんだけどなー、トト子」
「本当に俺達に手厳しいよね、けどまぁ俺カリレジェだしー?」
にっししって笑って見せれば、くるりとこちらを向くトト子ちゃん。
「思ってたのと違う人だった」
ふふっと笑うトト子ちゃんは、どこか楽しそうに思える。
「どんなふうに思ってたの?」
そう問えば、綺麗な人差し指を頬に当てて首を傾げる。
「んーと、もうちょっと冷静な子かなとも思ってたんだけど全然違うね?その逆っていうのかな?でもトト子の方が可愛いかな?」
「ブレないなぁトト子ちゃんは、そういうとこ俺好き」
にっかり笑ってそう言えば、じっとこちらを見る射抜くような瞳。
「おそ松くんはトト子が1番じゃなかったっけ?」
「もちろんもちろん!俺はトト子ちゃんだけだって」
「おそ松くん、知ってる?嘘つきは地獄に落ちるんだよ?」
満面の笑みで言うようなセリフじゃない、ぞくりとする。本当にトト子ちゃんて見てないようでよく見てて、こういう所がさすが幼なじみって思う。
「トト子ちゃんにはかなわないや」
「なにそれ?当たり前でしょ?」
「ところでトト子ちゃん」
「なーに?おそ松くん?」
「どうしてバズーカ砲なんてもってるの?」
どうしよう。
冷や汗が止まらない。
「トト子ー今回の1件で、あの子のこといいなぁって思ったから、おそ松くんが間違いをおかさないように始末するのも悪くないかなーって」
今、バズーカ砲の引き金が引かれる。
「ってなにそれりふじいいいぃいんー!!!」