第27章 白無垢よりもウェディングドレスよりもタキシード!?
生きる活力は湧いたけど、さてこの状況どうするか。
どこをどう見てもやはり逃げ場などなくて、今の私にできることといえば松坊ちゃん達の助けを...待ってもこないか。
けして悪いヴァンパイア達ではないのだが、トト子姫の事となるとめっぽう弱いと以前松代さんから聞いた。
「つまりは、自力でどうにかするしかない...」
考えろ考えろと焦れば焦るほどに、なんの考えも浮かばない。
そうこうして首を捻っていたら、どおおんと凄い音がした。
後ミシミシいう音。
地震かなにかだろうか、まぁまぁ揺れたよ危ないな。
さて、気を取られてる場合じゃないとぶんぶんと首を横に振る。
そして一旦落ち着き、また考え出せばバキャアッッと何かしらが砕ける音。
騒がしいったらない、一体何があったんだろう。
その後ものすごい断末魔が聞こえて、思わず身体がビクッとした。
本当に何があったんだろう?
少し覗くべきかと席を立とうとすると、サッと襖が開いてトト子姫にぶつかりそうになった。
「申し訳ございません、ご無礼をはたらきました」
慌てて後ろに数歩下がる。
その一瞬見えたのだ、トト子姫の眼光が鋭い鬼かなにかみたいになってたのが。
さすがに固まっていると、あちらもハッとしたようでぶんぶんと顔を左右にふり元の愛らしい顔つきに戻る。
「お狐様待たせちゃってごめんなさい、トト子ちょっと野暮用があったの」
「そ、そうですか、ははは」
その野暮用ってなんだ!!
着物が紅くて最初はわからなかったが、よく見れば所々に血飛沫が舞っている。
そして怖いのが、その血飛沫を浴びたトト子姫の姿が先程よりもいちだんと輝いて見えることだ。
なんだろう、何を始末してきたんだろう?
いや、多分これ確実に始松だろうな。
あまり当たって欲しくないカンだが、当たってるだろうな多分。
そういう嫌なカンほど当たるものだ。
「ト、トト子姫?おそまちゃんの姿が見えないようなのですが?」
「え?さっきの子ですか?お母様がいらしたので一緒に言っちゃいましたよ?」
なんでそんな綺麗に笑うんだろうか?
逆に怖いんだが。