第27章 白無垢よりもウェディングドレスよりもタキシード!?
「その作戦で本当に上手くいくの?」
ごにょごにょと作戦を用立てて6人マイナス2人に話す。不安そうに顔を曇らせるのはトド松で、それをぼんやりと聞く一松、たぶんわかってない十四松。
「でもそれが1番自然な流れだと僕は思うんだ」
「まぁ、そこまで言うなら見守るけどさ、あっ骨の回収だけはしてあげないこともないよ!」
また澄んだ目でとんでもない事をいうトド松、こいつ本当に心臓をどこに落としてきたんだろう?
むしろ元々心臓あったのかなんて疑ってしまう。
「きっとチョロ松兄さんなら大丈夫!オフコース!」
あははと大きい口を開けながらそう言ってくれる十四松だけど、それ多分フラグだからね!
「...」
「せめて何か言って一松!」
自分で作戦を立てたものの、正直不安で不安で仕方ない。
だから何か言ってもらえないと、余計に不安になる。
「...頑張って」
にやあっと笑いながらそう言ってくれた一松だったけど、なんだろう一松だけに一抹の不安しかでてこない。
そんなこんなで作戦が実行される事になる。
もうここで失敗してしまったら、僕らに明日というものはきっとないだろう。
だらだら流れる冷や汗を必死に振り切って、トト子ちゃんと鈴音ちゃんがいる部屋の襖の前に立つ。
すっと腰を下ろせば、よく磨かれている床がヒヤリと冷たくてゾクッとした。
正座をしつつ、ふうっと深く息を吐くとぐっと締め付けられる感じが苦しい。
着慣れないもののせいもあるが、なんてたって相手はトト子ちゃんだ。
命がいくつあったって足りやしないだろう。
襖に手をかけようとすればバクバクと鳴る心臓、口から出そうとはきっとこの事だ。
ゴクリとつばを飲み込み襖に一言かける。
「失礼します」
その声はいつもの僕と少し違い、ちょっと猫なで声でしゃがれている(つもり)。
「はい」
短めな返事が襖の先から聞こえてきて、スっと襖を開く。