第27章 白無垢よりもウェディングドレスよりもタキシード!?
「「どうして女の子がこんなとこに?」」
いやいや!
2人してそこなの!?
わかるでしょ!あの顔は絶対絶対うちの馬鹿長男ってわかるよね?!
「...ほんと、なんであそこに小さい子が」
一松まで!?
おかしいの?これってわかる僕がおかしいの?
ねぇ!誰か教えてくんない!?
「あたいはおそま!」
ほら、もう名前でバレバレじゃんか!
とりあえずは艶めかしい情事はストップされたみたいだけど、もはやこの収集のつけようのない事態に圧倒されるしかない。
「そうなんだー、おそまちゃんって言うんだ」
うふふあははと笑いながら、おそま(うちの馬鹿長男)の頭を撫でるトト子ちゃん。
さっきの艶やかで妖しげな雰囲気とはかわりただ子どもを可愛がるお姉ちゃんみたいな、そんな感じ。
「さすがトト子ちゃん、優しいー!僕も幼児姿になったらあんなふうにしてもらえ...」
「甘いよチョロ松兄さん」
いつの間にか復活したトド松が僕の言葉を遮る。
「はぁ?なにが甘いんだよ?」
「僕なら、小さい子が現れてかつ好きな人の前だったら絶対優しくする。だってその方が子ども好き、優しいって勝手に向こうが勘違いして好いてくれるでしょ?」
ふふってすっごいキラッキラした瞳でこっちを見ながら言ってくるうちの末弟。
あざと!黒っ!さいっていだなこいつ!
「そんなわけないだろ!トト子ちゃんに限って!」
「だからチョロいチョロ松とかいわれるんじゃない?」
「あん!?なんか言ったか?トド松!?」
「え?僕なんか言ったー?」
またもキラキラの純粋無垢な瞳でしらばっくれるトド松。こいつ兄弟の中で1番嫌な性格して、いや常識人の僕以外全員クソみたいな性格か。
え?やだな、僕は違うよ?
だって僕は常識人だからね?みんなより個性とかは抜きん出てないけど、かわりにこいつら全員持っていない常識を持ってるから。
どんなに個性あって、キャラが濃くても常識がなきゃダメじゃない?