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【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第27章 白無垢よりもウェディングドレスよりもタキシード!?



十四松くん、君が天使であると信じていたのに...。
何たる事だろうと軽くショックを受けつつ、でもまぁ闇の部分の1つや2つくらいあるかなんて思った。

人、ではないけど、完璧な人などいないのだから。

自分のふあふあの尻尾を揺らしながら、もう何がなんだかわからない状態に追い込まれつつある。

そしてそんな状況に、いよいよ死にかけている人というかヴァンパイアが1人。

「く、苦しいんだが?トト子ちゃ...」

胸ぐらを掴まれ服が引きちぎれるんじゃないかというほどに、ぶんぶんと振り回される運転手さん。

まぁ、私が言えることは一つだけだ。
お疲れミッション。

「た、助けてくれブラザー!」

手を差し出し十四松くんに助けを求めるも、視線をスーッと外される。

「十四まぁぁつ!オーマイリル十四まぁああつ!」

確実に自分の名前を呼ばれているのに、十四松くんは自分は見てないよとでも言いたげに視線を外す。

あぁ、十四松くん。
君は天使だと思っていたのに...。

でもまぁ完璧なヴァンパイアなんていやしないか。

十四松くんに見捨てられたため、庭の方に視線を向けようとしているが、すでに胸ぐらを掴まれカラ松の身体は床から離れているので完全にそちらに向けない。
あの力からいって、トト子姫は確実に普通の人間ではないだろう。

「おいこら!お前ら!いるんだろ!俺には、俺にはわかってるんだぞ!ブラザー!」

カラ松の一言と同時に、庭の植木がものすごい勢いで揺れた。

まぁ、もともとわかってたことではあるんだけれどクズだ。

クズだな、全員。

「覚悟はできてんだろ?なぁ?」

「えっえっえっ?ってぎぃやぁぁあ!りふじーーん!!」

ドスのきいた声とともに、勢いよくぶん投げられたカラ松は、空のお星様になりました。

まるでアニメかなにかのワンシーンの如く、キラリと効果音つきだ。
そして大きい透明なカラ松が死んだ人みたいに、空にうつしだされる。

「グッバイ、カラ松ガー...」

「さっさと消え去れ!クソニート!」

トト子姫の一言にその幻影は掻き消された。
...理不尽だ。

あまりにも、不憫だ。
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