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【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第27章 白無垢よりもウェディングドレスよりもタキシード!?



ブチッと赤い棒状の何かから、白い糸のようなものを素手で引きちぎる女の人。

いや、もはや般若と成り果てている。

「なにしてくれとんじゃ!我えぇぇぇ!!」

ドスのきいた声がししおどしの音をかき消す。
そしてそのドスのきいた声で脅されているのは、不幸にもその場に居合わせた運転手。

「え、えぇ!?俺!?」

「ったりめーだろ!このクズニート童貞(自主規制)クソ(一部不適切な表現があります事をここにお詫びします)が!」

聞くに耐えない脅し文句に、言われていないこちらさえも耳が痛い。そしてその脅し文句に合わせるかのように、梅の木が1本、また1本と丸裸になっていく。

「まっ、待ってくれ!ウェイト!この世界ではどっちかわからない事になっているはず...現にトド松だって非童貞だったし」

「あいつは元々非童貞の疑いをかけられているだろうが!大体原作で常に女と一緒にいんのに童貞とか逆にキモいだろうがぁ!!」

原作とはなんの事だろう?
とりあえず危ない橋を渡っているような気がするので、そのへんはそっと蓋をしておこう。

グッサっと何かしらの刺さる鈍い音が庭から聞こえたと思うと、植木から頭に魚がささったあざトッティがフラフラとこちらに数歩歩み寄ってバタりと倒れた。

「...トド松?トド松ぅぅぅう!!!」

「バカっ!いくな十四松!」

一松くんが止めるのも聞かず飛び出してあざトッティを抱き抱える十四松くん。

恐らくあざトッティが、巻き添えともとれる一言によってお亡くなりあそばされたのだろう。
まぁ、言葉で死ぬことはないだろうから精神的不可だけだろうが。

「神よ、貴方は残酷だ。大切な弟を、こんなっ、こんなぁっ!!」

目に涙を浮かべながら、頭にぶっとい魚がささったあざトッティに泣きつく様はお兄ちゃんなんだなと涙を誘う。

...が、しかし。

「ねーえ?十四松くん!十四松くんは誰の味方?」

いつの間にやら般若顔から、可愛いらしい笑顔を浮かべた女性は十四松くんに呼びかける。

「トト子ちゃんの味方です!」

十四松くんが美しい敬礼をした瞬間、頭から地面に落ちていくトド松くんからものすごい音がした。
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