第27章 白無垢よりもウェディングドレスよりもタキシード!?
「でも、なに?」
首を傾げながら見つめられ、心臓がバクバクと音を立てる。
「え、えっとそのトト子ちゃんは性格がその少し情熱的すぎるというかなんというか...」
ダンスパーティーから少したったけど、やっぱり鈴音ちゃんは女の子の姿の方が...。
「一言でいうとヤバい!」
そんな甘い雰囲気をぶち壊すかのように、十四松の大声が響いた。
「ね、ねぇ?これってさもしかしなくともトト子ちゃん鈴音ちゃんの事を男の人と思ってるよね?」
慌ててるけどよくよく考えればそれに加担したのお前だよねトド松。
「思ってる思ってる、なんか一目惚れしちゃったらしいよ?カリスマレジェンドの俺が横にいたのに酷くない?」
その会話に状況を把握した僕を含めた他の松達がさあっと顔色をかえはじめる。
「これ、かなりヤバいよね?ヘタしたら鈴音ちゃんミンチになりかねないよね?」
「おい、あざトッティそれどういう事?私きいてないんだけど?」
話についていけないが、自分の身の危険を感じたのかすかさずトド松へ聞きなおる鈴音ちゃん。
ぶっちゃけた話、ミンチならまだいい方。
僕らは知っている。
トト子ちゃんがキレたらどんな事になるのか、そしてその惨劇は後世に伝えられ僕らそっちの世界の住人ですらも身震いするほどの凄惨である事を...。
「ブラザー!なんでお見合いさせてあげるなんて言っちゃったんだ!このままじゃレディがブラッドを噴き出して噴水になるぞ!」
カラ松の一言に全員が口を閉じる。
今回は本当にそうなりかねないからだ。
「おー、それいいな!飲み放題じゃん!」
「「何にもよくないわ!このクズ長男が!」」
どこをどう考えればいい事なのかわかりたくもないけれど、(ヴァンパイアにとったら、すっごいいいけどね)とりあえず鈴音ちゃんと二人して息ぴったりのツッコミを入れた。