第27章 白無垢よりもウェディングドレスよりもタキシード!?
鈴音ちゃんがお見合いー!?
何それ、意味わっかんないよ!
あんまりショックで口から泡ふいちゃったよ!
今さらだけど、なんで攫ってきた子をわざわざお見合いさせようとしてんの、うちのバカ!
散々内臓をディスられて、鈴音ちゃんがお見合いさせられるなんてよくわからない話がでて、泡吹いて起きたら十四松の首がとんでもない事になってた。
それを見てまた数秒白目むいちゃったよ!
なんなのこの家、毎度毎度騒ぎ起こさなきゃ気がすまないの!?
何百年とこの家にいるけど、騒がしいったらない。
そしてそういうトラブルを持ち込んでくるおもな原因は...。
「なー、頼むよ!鈴音にしか頼めないんだって」
このクソ長男だ。
我ら六つ子の中で、もっともめんどくさくて、クズでってクズ以外形容しがたいわ。
僕のケツ毛を燃やす一番の原因だ。
「いや、さっき丁重にお断りしたよな?んでもってセクハラ発言の後にこりずにまたお願い繰り返すとか、お前のメンタルどうなってんの?」
ニコニコと、笑いながら全力でうちの長男に毒を浴びせる鈴音ちゃん。
どうやら、お見合いを全力で断ってるみたい。
その事にはホッと胸をなで下ろす。
よかった。
本人が乗り気じゃなくて...。
でも色々と気になる事がある。
ありすぎる。
例えば、あらぬ方向に首を傾げるのはやめたけど、変な強弱をつけながら叫びっぱなしの十四松。
でも中でも驚いたのは、白目向いて固まってる我が家のドライモンスターことトッティ。
白いいかにもな分厚い写真台紙を広げたままで、ひっどい顔をしている。
「なに?トド松がそこまでなるなんて珍しいよね?そんなにショッキングな内容だったの?」
どれどれとひょいっと写真台紙を取り上げて見た瞬間。
「え...なにこれ...ん?んんんー?んー?」
頭脳明晰物知りで、兄弟の中で1番頼れる(自称)でも手のつけようのない事実に目を疑った。