第27章 白無垢よりもウェディングドレスよりもタキシード!?
クズか、クズだな。
クソ末弟。
まぁ元々期待とかしてなかったけどね。
「なぁんて、うそうそちょっと寂しいから」
きゅるんとした瞳の裏で何を考えてるのかわからないけど、明らかに前者で言ってた事の方が正解だろう。
けっ、あいも変わらず可愛こぶりやがって!
でも私は作られた可愛さにはめっぽう強いので受け流す。
そんな事を考えていたうちに、首元の黄色がなくなっている。
「あーーー....?」
いつの間にか先にお見合い写真を見てしまった十四松くんは、言葉にできない叫びを上げつつ首を傾げていく。
だんだん横になってきて、真下にな...ん、ちょっと待て!
「危ない!危ないよ十四松くん!」
「なにがー?」
ぱっと顔の位置を戻し私に向き直る。
毎度のことながら、彼はヴァンパイアというくくりだけでおさまるヴァンパイアなのだろうか?
明らかに人...じゃない、ヴァンパイア離れしている。
「ねぇねぇ?」
そんな十四松不思議発見に迷い込んでいたら、私の目の前に移動してきた十四松くんがじっと私を見つめる。
「鈴音ちゃんて女の子だよね?」
その質問にポカンと口をあけ、ささっと自分のノドを触る。
他の誰かに言われたら、生物学上女ですと言えるけれど相手は十四松くんだ。
違う世界が見えてるとかいわれても、不思議でない相手である。
「いや、そこを確かめるなら胸でしょー!」
「黙れ、バカ松このクズ野郎」
満面の笑みを浮かべつつ、暴言と共に愛銃でバカ松を撃つ。
安全面は考慮している。
とはいっても、あたればそこそこ痛いし人間なら重症だ。
まぁあたらないし、あてないけど...。
ハズレーと軽いノリで言われたら本気であててやろうかと思わないこともない。
ちなみに1度や2度ではなく、1日に3回は思う。
「ねぇねぇ?鈴音ちゃんて男の子だったの?」
「...どうだろうね?こんなにセクハラを受けるんならいっそ男に生まれた方がよかったかもね」