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【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第26章 揺れる心〜愛の逃避行、無垢なる笑顔と恋のlabyrinth〜



「ふっ、やっとLabyrinthから抜けられたぜ!」

左手に刻印を押し、ゲートの守護者と契約せざるおえなかったが、レディの為とあればなんだってするさ!

「さて、外に出てきたはいいが」

すんと空気中の匂いを吸い込むが、予想通りオーシャンと沢山の人、そして食べ物の匂いでむせかえりそうになる。

「やはり、匂いで追うのは無謀というものか」

ふむと腕を抱えていたら、真横でニャーンと低い声が聞こえる。その声をたどって下を見てみれば見知ったフェイス、いやキャットがいた。

「ん??!お前は?ブラザーの相棒じゃないか?」

オレンジ色の身体に青いメガネをかけた一松の相棒は、俺をじーっと見つめる。キャットがじーっと見つめてくるのは、ケンカを売っている合図だとも言うが、実際はどうなのだろう?

「なんだお前?相棒はどうした?」

低い声で俺の思ってる事を言い当てる。

「う、うわぁ!キャットがキャットがしゃべった!」

しゃべるキャットなんて聞いた事がない。
そもそもこいつとは初対面のようなものだ。
何故なら近づく前に何故か俺から逃げるからな?

だが、今日はどうにも様子がおかしい。

「もしや、お前も迷子なのか?」

しゃがんで問いかけてみれば、低い声で短くニャンと鳴いた。どうやら迷子らしい...いや、もしかしたらブラザーが迷子なのか?

「ふっ、俺もお前も迷える子羊を探す旅人いうわけか...」

そう言った瞬間、何故だかキャットが胸をおさえてゴロゴロと地面をころがりだす。
どうやら苦しんでいるようだ!いや、どこか痛がっているのか!?

「だ、大丈夫か!?しっかり!しっかりしろキャット!お前にもしもの事があればブラザーが傷つく!そんな事になったら、俺の俺のハートは、くっ!生きろぉぉぉぉ!死ぬんじゃなぃ!!」

そっとキャットを抱きかかえてみれば、何故か口から泡をぶくぶくと吐き出している。

「うおおおぉぉ!生きろ!生きるんだ!待ってろ!今何か用意してやる!」

レディの事は大切だが、目の前の小さな命をないがしろにはできない!
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