第26章 揺れる心〜愛の逃避行、無垢なる笑顔と恋のlabyrinth〜
「レディ!」
無我夢中で走り回る。
匂いを辿ろうとするも、残念ながらここは色んな匂いが溢れすぎてどれがレディの香りかわからない。
「くっ...俺が眠りになんてついていなければ」
ぐっと拳を握りしめると、深めに切ってある爪が手の甲にささる。
「レディ、レディ、どこへ、どこへ行ってしまったんだ?」
ただレディの笑顔を見たかっただけなのに、俺はなんて馬鹿なんだ。
片手に持ったレディのポンチョが俺の愚かさを示す。
薄暗い館内がレディを水底へと引きずり込んだように、俺を嘲笑う。
「くそっ!」
こうなったのは俺のせいだ。
俺の...。
そう思っていたら、握っていたレディのポンチョがバサりと床へ落ちた。
そうだ、今はこんな事を考えている場合じゃない!
もし、レディになにかあったら...!
た、たとえば何処かのHENTAIというなの紳士に誘拐なんてされてしまっていたら!
「されてしまって...いたら...」
グルグルと頭を駆け巡る危険な妄想劇。
可愛いレディがデブでメガネをかけていて、バンダナ着用している見るからにオタッキーなHENTAIの着せ替えドールになったり。
いや、案外そういう見た目がオープンなロリコンではなくて、意外とシャープでスレンダーなやつかもしれない。
ニコニコとスマイルしながら、マイエンジェルのブーツを拾い上げ、そのかぐわしい香りで肺いっぱいにし、そして何度もプリティガールアニメの決めポーズをレディにさせるんだ。
プリ●ュアとか、セーラー●ーンとか、おジャ●女どれ●とか、魔女っ子●グちゃんとか、ときめきトゥナ●トとか、魔法少女クリィー●ーマミとか...。
レディに『月●代わってお●置きよ』なんてさせたら許さない!oh......!
むしろ俺がそんな事をやらせた奴にお仕置きだぜ!
欲しがってるんだろ?俺がくれてやる!ふっふーん!
カラ松マジカル テクマクマヤコン マハリクマハリラン カラ松ステージをお見舞してやるぜ!