第6章 ブレックファーストはドレスコードで....
こうなったらヤケだ。
そんなことを思いながら、部屋を物色する。
扉が三つあるけど、どっちがどっちなんだ?
昨日扉から落っこちた私にしてみれば、扉を開けるのは恐怖でしかない。
白い扉が三つ
一つは離れたところに、もう二つは横並び
一つの離れてるのは出口だとして....
この二つはどっちがどっちなんだ?
でもよくみたら扉に、金色のキラッキラッした筆記体で右はバスルーム、左はトイレって書いてあった。
金色のカラ松の顔のイラストつきで....
イラッっとした。
腹立つから後で一発殴ろうか。
ガチャッと扉をあけると、また景色が代わる。
別世界じゃないかと疑いたくなるような、変わりように内心焦った。
黒....
風呂場くっろー....
黒と金を基調としたバスルーム
黒い壁、黒い椅子に、黒い洗面器に、黒いシャワーに、黒い石鹸置きの上に、黒い石鹸置いたら何がなにかわかんねーわ!
とにかく全部黒い!
黒いったら黒い。
バスタブまで黒いときている。
なんだこれブラックボックスか?
あぁでも....
よくみるとバスタブがねこあしバスタブで可愛い。
体洗いのスポンジが猫の顔になってるのが地味に可愛い。
さらによく見ると、石鹸の形が猫
シャンプーとリンスのボトルには、金色の猫の影絵
真っ黒なバスタオルには金色の猫の肉球が刺繍されている。
猫か....
瞬時に猫形のクッキーを思い出す。
....一松くんか....
.... 可愛すぎか、やめとけよ
.... むしろこっちはちょっと好きかもね。