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【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第25章 戦士の安らげる場所〜愛の逃避行、カラ松onrabu編〜



「うん、わかった!」

星が瞬くような笑顔を浮かべて、レディは頷いた。
夜でもないのに星を見る事ができるだなんて、最高の贅沢だとは思わないか?

「じゃあ私、カラちゃんから離れないようするね!」

あぁ、ゴッドよ。
貴方は素晴らしい。
俺の目の前に、こんなにも愛らしいエンジェルを遣わせてくれたのだからな。

エレベーターで入口へと運ばれながら、俺はこの気持ちを噛み締めている!

「カラちゃん!上だよ!みてみて!」

控えめな声で手を揺さぶるレディ。
レディの指示通りに上を見上げてみれば、優雅に泳ぐ色とりどりの熱帯魚達が見えた。

「綺麗だね!」

レディは大きく目を見開いて上を見上げている。薄暗い館内で様々な色が揺れた。
ガラス張りでできたトンネルを自由に泳ぐ姿は、空を飛んでいるようだ。

「レディ、あれがエンゼルフィッシュだ。」

「カラちゃんお魚の名前わかるの!?」

「あぁ、もちろんさ」

なんせ、自分の庭の魚達の世話をする為に魚についての本を書庫に入れたぐらいだからな。
まさかこんな所で役に立つとは思わなかった。
知識は荷物にはならないと聴いたことがあるが、全くその通りだ。

「じゃああれは?!あの、赤と青色のやつ!」

「ふむ、ネオンテトラだな」

魚達を指さしながら、凄いねと笑うレディに手を引かれる。

「カラちゃん!白いのだよ?あれもエンゼルフィッシュ?」

「あぁ、あれはホワイトクリスタルエンゼルフィッシュだな、その横の赤いのはレッドデビルエンゼルフィッシュだ」

それにしても、ここの水槽はやけにエンゼルフィッシュが多い気がするのだが?
館長の趣味なのだろうか?
悪くない、いい趣味だ。

「エンゼルフィッシュも色々いるんだね?赤いの白うさぎのお兄ちゃんみたい」

ふふっと笑いながら指でレッドデビルエンゼルフィッシュを追いかけていくレディ。

まぁ、確かに色といい名前といいどことなくおそ松に似ている気がするな。
しかし、前々から思っていたんだがレッドデビルエンゼルフィッシュとは悪魔なのか天使なのかどっちなのだろうか?

いや、むしろ表裏一体というやつか。
ふっ、フィッシュは奥が深いな...。
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