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【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第25章 戦士の安らげる場所〜愛の逃避行、カラ松onrabu編〜



「カラちゃんもトド松お兄ちゃんと同じで、妖精さんなの?」

妖精?
あぁ、そうかそう言えば今朝方俺の服を選んでくれていた時に、空中に物を浮かせていたな。

何故レディが不思議がらなかったのか疑問に思わなかったが、そういう事か。

「そ、そうだともレディ!このカラ松は、クールでナイスガイなフェアリーなのさ!バーン!」

お得意の決めポーズをしながら、レディの一言に全力で頷いた。

「そっかぁ!そうだと思った!」

にっこりと笑いながら得意げにするレディに、嘘をついてしまった事がズキリと心を傷つける。

レディ、すまない...

嘘をつくのは、してはいけない事だろう。だが、今はどうか許して欲しい。

「さぁレディ、今度こそランチにしよう」

太陽のようにキラキラと輝くバスケットを開け、俺とレディの間に大空色のランチョンマットを広げる。

「ふっ!今日のランチはコレだレディ」

俺のサングラス姿の顔がプリントされた紙包みをレディに差し出す。流石は俺の力作、あまりの完成度の高さに自分でも自画自賛だな。

「これ、なあに?」

「よくぞ聴いてくれたレディ!それはな!カラ松特製チーズデリシャスハンバーガーKaramatuスペシャルだ!」

自分の分のカラ松特製チーズデリシャスハンバーガーKaramatuスペシャルを、大空へと掲げる。

ふっ、決まった...!

「ハンバーガー?カラちゃんが作ったの?」

包みを両手で持ちながら小首を傾げるレディ。
何故か数秒時が止まり、2人の間に沈黙がうまれる。

ど、どうしたんだ。
も、もしやハンバーガーの気分ではなかったのか?
包みを見つめたまま、じーっと動かない。気のせいだろうか、レディの眉が下がっていく。そこ以外の時間が止まっているようだ。

レディと同じように、俺のキリッとした凛々しい眉毛が下がっていくのが自分でもわかる。

小さくなったレディに初めて対面した時の事を思い出せば、それは当然と言えば当然かもしれない。

「すまないレディ、もし食べたくなければ...その、水族館の近くで何か別のものを食べようじゃないか」

ニコッと笑ってはみたが、これは少しこたえるな...。
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