第25章 戦士の安らげる場所〜愛の逃避行、カラ松onrabu編〜
そうこうしてるうちに、グーッとお腹のなる音がする。
「カラちゃん、私お腹空いちゃった」
恥ずかしそうに笑うレディ、もうそんな時間なのかと思いながらポケットから懐中時計を出す。ちょうど12時をまわったところだった。
「ふっ、せっかくのオーシャンビューだし、ここでランチにするかレディ?」
「うん!」
嬉しそうに笑うレディを抱き上げて堤防の上にそっと乗せた後に、自分も堤防に登る。オーシャン側に足を向けて二人してオーシャンを眺めれば、青と青の境目に水平線が見えた。
「さて、ランチを...!!ノ、ノオオオオッ!!」
オーシャンに向かい大声をあげれば、ビックリしてこちらを向くレディ。
「ど、どうしたの?カラちゃん」
「あっ、えと、いや、な、なん、なんでもないんだレディ」
冷や汗をだらだらと流しながら、いつものクールなポーズをとってみるがどうにも様にならない。
「レ、レディ?少しだけ目を瞑っててはくれないか?」
「いいよ?」
素直に目を閉じるレディの目の前で、手を左右に振って見ていないかを確認する。
フッ、俺とした事がせっかく用意したランチを忘れてしまうなんてとんだ誤算だ。
「いいかレディ、俺がいいと言うまで目を開けてはいけないぞ?」
「うん!」
素直に俺の言う事を聴いてくれるレディには、心が痛い気もするが事が事だけに仕方がない。
パチンと指を鳴らせば、なんの前触れもなくキラキラと光り輝くバスケットが俺の膝の上に現れる。
「レディ、もう大丈夫だ」
「うん、あれ?カラちゃん、そのバスケットどこから出したの?」
や、やはりか...
思っていた通りツッコまれる。
予想内の言葉に頭を悩ませるが、これと言った解決策が見当たらない。何故だゴッド!何故俺にこんな試練を出したんだ!
「レ、レディを喜ばそうと思ってな?その、実はこっそり用意していたんだ」
「でも、来る時持って来てなかったよね?」
話をそらそうと画策するもこれまた失敗だ。
どうする、どうするカラ松!
ここでもし、もしもレディに嫌われでもしたら...