第25章 戦士の安らげる場所〜愛の逃避行、カラ松onrabu編〜
俺からミルクティーを受け取るも、じっとミルクティーを見つめる。
「どうしたレディ?飲まないのか?」
そう問えば、レディはぶんぶんと首を振る。そして、なぜか俺の方にミルクティーを差し出す。
その行動にぽかんと口を開ければ、にこりと愛らしい笑顔を俺にくれた。
「半分こだよ!先にカラちゃんからどーぞ!」
その可愛いらしく優しい発言に、胸が苦しくてたまらなくなる。効果音をつけるとしたらきゅうううんだろうか?いや、それだけで俺の気持ちが表せるわけがない!
「いいのか?レディ?」
くしゃりと笑って聴いてみれば、もちろんと微笑む。
それはまさに天使、天の使いと書いてエンジェル!
レディ、君は君は...
エンジェルだ!まごうことなきエンジェル、いやエンジェルよりも尊い、その小さく可愛らしい背中には純白の翼があるに違いない!
「ふっ、レディ?俺はレディファーストを重んじるギルトガイな男だ。気持ちは嬉しいが、先にミルクティーに口をつけるのは、そう...レディからだ!」
パチンと指を鳴らして決めポーズをしてみるが、何故かレディは首を傾げる。
「え、えーとだな、そのつまりは、気持ちは嬉しいが先に飲んでくれという事さ...」
「いいの?」
「もちろんだ!!レディ!」
それにしても、優しい子だな。
俺の横でミルクティーを飲みつつも、しっかりと手を握るレディがなんとも愛おしい。
まだ幼いというのに、気遣い屋さんな子だ。それだけ人の様子をうかがって生きていたのだろう。こんな幼い頃からか、なんて思うと少し不憫に思ってしまう。
...いや、それはレディに対して失礼だ。
自分の考え方の狭さに、ふうっとため息をつけば、差し出されるぬるめのペットボトル。
「私飲んだから、今度こそカラちゃんね?」
満面の笑みで渡してくれたペットボトルを受け取る。
「ありがとうレディ」
お礼を言ってペットボトルを傾けると、甘い優しい味が口の中に広がった。