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【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第25章 戦士の安らげる場所〜愛の逃避行、カラ松onrabu編〜



「ほら、そこのボタンだレディ」

レディを抱き上げて、人々の足となり沢山の世界に運ぶ乗り物に乗車するためのチケットを買う。

「これ?カラちゃん?」

レディの小さな指先が、今!
今まさに俺達を運ぶ乗り物のチケットを...

「電車で行くんだよね??」

「そうさレディ、こっちはレディの分だ」

「わー!ありがとう!」

レディは本当は大人なので、大人用のチケットを買うか真剣に悩んでしまったが、まぁ今は小人で大丈夫だろう。

「カラちゃん、立ち止まってると」

バタンと音がし、ゲートが閉まってしまった。
なんという事だ!
レディと俺の間に立ち塞がるゲートは海よりも深く、山よりも高く。これが愛への試練だというのか!?

「お客様、こちらをお通り下さい」

少し太めの柔らかい笑みを浮かべたきっちりとした服に身を包んだ男が俺を...導く。

「よかったね、カラちゃん車掌さんがいてくれて」

「ふっ、これも愛の試練だが、あのふくよかでモチモチした天の使いのおかげだ助かった」

サングラスをかけ直そうとして、カッコをつけてみるが、あいにくトド松のレッドゾーンにあたり今日はサングラスを持ってきていない。
そんな俺に、ニコリと笑うレディは小さな手を差し出す。

「カラちゃんがどこにも行かないように、お手て繋ごう!」

つうっと視界が揺れる。
何故だ、涙が涙が止まらないんだ。

「くうっ...そ、そうだな?レディ俺の手を離さないでいてくれよ?」

ぎゅうっと俺の指先を握り締めながら、うんと笑う顔はこの世界のどんなものよりも可愛らしい。

「所で、どこに行くの?」

小首を傾げるレディにフッと笑い、階段を上る。小さなレディにあわせて一段一段ゆっくりと踏み外さないように上っていけば、線路が見えた。

「内緒だレディ、でもレディもきっと喜んでくれると思うぞ」

その一言に何処だろう何処だろうと楽しげに声を弾ませる。
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