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【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第24章 戦士の安らげる場所〜麻雀牌は愛を語る編〜



よく確認してみると、天蓋付きベットのカーテンのはしから白い天使の羽が見える。

「レディ?こんな所に隠れてどうした?」

俺がレディに近寄ると、何故だか怯えた顔をする。なにゆえそんなに怖がっているのか皆目検討がつかない

「どうしたの?鈴音ちゃん?」

心配そうにのぞき込んだトド松の服の袖を掴み、その後ろに隠れる。それをみかねてトド松が抱きあげれば、俺とは別の方を向いてトド松にぎゅうっとつかまる。

「レディ?どうした?」

レディに触れようとすれば、トド松の服が沢山のシワを作る。もしかして、嫌われてしまったのか?

「レディ、俺と出かけるのが嫌ならトド松と...」

それを言いかけた瞬間、小さな手が俺の袖口を掴んでフルフルと首をふる。

「鈴音ちゃん、どうしたの?何がそんなに怖いの?」

トド松の優しい声に、小さな指先が俺の首元をさす。その先にあるのは先ほどつけたホープダイヤモンドのペンダントだった。

「レディ、これが怖いのか?」

片手でペンダントを持ち、まじまじと見つめてみるが何の変哲もない。

ホープダイヤモンド...
美しく青く輝くその宝石は、その美しさから人を魅了し、持ち主を不幸にすると言われている。
ルイ14世やマリーアントワネットなど、凄惨な死を遂げた者の元にあったと言われる宝石。

だがしかし、ヴァンパイアの俺にとっては『凄惨な死』などは縁遠いものだ。むしろ、こういう闇をもつものは、俺達のような闇に生きる者が持ってこそではないだろうか。それが怖い、か...

ふむ、レディはなかなかと目利きの才能があるようだ。もしくは、何かを感じ取ったのだろうか?
子どもというのは、やはり大人には見えないものが見えるんだろう。

そんな事を考えながら、ペンダントをしまう。

「レディ、これでもう大丈夫か?」

俺の一言にこちらを向き、こくりと頷く。透明人間の話といい小さなレディは怖がりらしい。

「ふっ、それではレディ!用意もできたことだしいこうか?」

「うん!」

ニコリと笑って俺の元へやってくるレディを抱き上げた。
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