第24章 戦士の安らげる場所〜麻雀牌は愛を語る編〜
「所でブラザー、何故俺の部屋に?何か...ふっ!用事か?」
「毎回思うんだけど、カラ松兄さんはカッコつけないと話せないの?そういう呪いかなんかなの?」
相変わらず手厳しいブラザーだ。やれやれといいながら、大きくため息をつく。
「お姫様を連れてきたの」
ぽつんとそう言って、おいでと優しく話す。へいへい、扱いが全然違うんじゃないかブラザー?
「トド松お兄ちゃん、カラちゃんみつかった?」
ドアからちょこんと顔を出すのは、可愛いお姫様だ。
「レディ!今日もなんて、なん...て」
俺は固まった。何故か!?それは!それは!
白いレースのワンピースにベージュ系のポンチョを着て、可愛らしい小さなブーツをはいた天使がいたからだ。
「きゃっ!カラちゃん、お着替え中!?」
「うわっ、ないわ、ひくわ、さいてー!」
俺は自分の着替えが完了していない事を完全に忘れていた。
「ち、ちが!違うんだレディ!別に俺はその!」
完全にパニックになり、あたふたしながら急いでズボンをはく。あぁ、なんてこった、こんな情けない姿を見せてしまうなんて...
だが!今日の俺の選び抜いた服はパーフェクト!
こんな些細なアクシデントなんて、軽くふっと...
「ねぇ、まさかそれで行くんじゃないよね?」
「ん?いやこれで行くが?」
固まって、ぴきりとヒビが入って音がなりそうなトド松の視線が俺をとらえる。
ふーん、俺のファッションセンスが素晴らしすぎて、固まっているのかな...?
できる男は辛いぜ
「ねぇ、正気なの?そんなふざけた格好で、僕と一緒にオシャレした鈴音ちゃんの横を歩く気なの?ねぇ?答えて?イタ松兄さん?」
満面の笑みを浮かべつつ、真後ろにドス黒い何かを従えた弟が俺に詰め寄ってくる!
な、何故だ!?俺の何がいけなかったというんだ!?
「そのクソみたいな、キラッキラのズボンと靴と、ゴミみたいなTシャツは何!?プリントがイタ松兄さんの海パン姿って何なの?馬鹿なの?馬鹿通り越してアホなの!?」
どうやら俺のパーフェクトファッションは、トド松に理解されなかったようだ。