第24章 戦士の安らげる場所〜麻雀牌は愛を語る編〜
「相変わらずいったいねぇ」
後ろから声がして振り向けば、可哀想な人を見るような眼差しで俺を見つめる愛しきブラザーの1人、トド松の姿があった。
「ねぇ、激しく聞きたくないんだけどさ、それなに?」
「今日着ていこうと思っている服だが?」
ふっと頭に左手をそえ、ポーズをとる。
どうだ、この俺のパーフェクトファッションは?
んー?完璧すぎる?いや、完璧とは、つら...
「ねぇ、そのダッサイどうしようもない服はなに?革ジャンって、それならいい、革ジャンだけなら!でもその革ジャン、カラ松兄さんの顔入ってんじゃん!しかもバスローブ姿のプリントって何!?ナルシストもイタいもサイコパスも通り越して、何処に向かおうとしてるの!?同じ兄弟として恥ずかしい通り越して、情けないわ!ないー、本当ない!」
全く、相変わらずの年代物のワインのように深みのある毒だ。だがしかーし!毒をもって毒を制す俺にとって、そんなものは、ただの葡萄ジュースさ!
いや、待て?もしかしたら見当違いではないか?
「フッ、ブラザー、そうか気づいてやれなくて申し訳なかった!今度ブラザーの分も俺のパーフェクトファッションカラ松セクスィービューティ革ジャンパートトゥーを作ろうじゃないか!」
「いや、いらないからそんなゴミよこさないで。」
照れるなんて、なんて可愛い弟なんだ。素直になれないんだな?そう!母の愛を求め泣き止まない無垢なる赤ん坊のように、求めることが!
「わかっているさ、ちゃんとカラ松クオリティ大胆で繊細でセクスィーなこのパンツも...ふっ、用意してやる」
パチンとウインクを飛ばしながら、お得意のバーンのポーズを決める。
「いや、そんな太もも出てるやつ着る人なんていな...」
「バーーービューーーーーーんーーー!!!」
窓の外で、俺プロデュースのパンツをはきターザンごっこをしている十四松の声が高らかに響き俺のハートのビートを打ち鳴らす!
「十四松は、動きやすいと喜んでいたぞ?」
「ちょっと!十四松兄さんになんてもん着せてんの!?」